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公明新聞リレー連載「授業に笑いを!お笑い教師同盟の挑戦」
第7回「「お笑い」を使ったゲームで大切なフォロー」
山田洋一(北海道)
(『公明新聞』2007年4月14日掲載)


 「お笑い」を使ったゲームをうまく進行するのは、実はそれほど難しくありません。例えば、上條晴夫編『お笑いに学ぶ教育技術』(学事出版)には、多くのゲームが紹介されています。それを教室に持ち込むだけで、教室は笑いであふれ、あたたかい雰囲気になります。
 ところで、「お笑い」の世界には、「ボケ」「ツッコミ」「フォロー」という3つの言葉があります。「お笑い」を使ったゲームでも、この言葉で示されるような行程があります。教師の役割はこのうち主に「ツッコミ」と「フォロー」になります。子どもたちが、「ボケ」たことに対して的確な「ツッコミ」や「フォロー」を入れることで「お笑い」を使ったゲームをより効果的なものにすることができるわけです。
 では、実際のゲームを紹介しましょう。
 教師が声高らかに宣言します。「今日は、【ちょっと変わった仕事人】というのを考えてもらいます」子どもたちは「なんだ、それは?」という顔で見ています。
 そこで、説明します。
「例えば『高所恐怖症のパイロット』『血を見るのが怖い医者』『運転免許証を持っていないタクシードライバー』というような感じです」 
 子どもたちは、一つ一つ紹介するたびに、やることを理解していきます。また、同時に笑い声も大きくなっていきます。
「さあ、つくってみよう!」
の声に子どもたちは鉛筆を走らせます。教師は、子どもたちの作品に目を通しながら、時々「これは、傑作だ」とか
「これは、面白いね」とか声をかけます。
 全員が作品を仕上げたら、数名ずつ教室前方に並んでもらうことにします。次々に子どもたちに作品を紹介させます。
 例えば、こんな具合です。
「野菜の嫌いな、八百屋さん」
 私はすかさずフォローします。「売るとき、説得力無いねえ。『お客さん、トマト買ってくださいよ、私は嫌いだけど』って」ここで子どもたちは笑います。      
 次の作品です。
「立ち読みが好きな本屋さん」
 また、フォローします。「うわあ、お客さんより本に夢中」ここでも子どもたち、大笑いです。さらに、作品を紹介した子が「全然、本、売らないの」とつぶやきます。
 この調子で、子どもたちに作品を紹介させ、教師がフォローするという行程を繰り返します。このフォローが、教室をあたたかい雰囲気にし、無口な子にも、思わずつぶやかせてしまうのです。
 ですから、こうしたフォローは、「お笑い」を使ったゲームでは大切な役割を担っているといえるでしょう。
 上の例では、子どもの作品を決して否定せずに聞き、それから場面がわかりやすくイメージできるように、具体的に例示しています。
 こうした姿勢やフォローするスキルが、子どもと教師の関係をあたたかいものにし、子どもの心を解放することになるのです。


この文章は、2007年に公明新聞の教育欄に掲載されたものです。掲載にあたっては、公明新聞の許諾を得ております。