本文へジャンプ

公明新聞リレー連載「授業に笑いを!お笑い教師同盟の挑戦」
第6回「教室を、安心して居られる場所に」
山田洋一(北海道)
(『公明新聞』2007年3月24日掲載)


 よく言われることですが、いま子どもたちにとって教室は安心して居られる場所になっていないようです。
 それは、教室が昔と比べ特別殺伐とした場所になっているということではないのです。
 むしろ、教師も子どもたちも互いに気を遣っているに違いありません。ですが、子どもたちの中には、やはり教室という場所を「しんどく」感
じている子がいます。気を遣いすぎて、肩に力が入り、距離感が保てないということのようです。
 休み時間になると、図書室で一人で本を読んでいる子、保健室に入り浸る子、廊下でふらふらしている子。ちょっと「教室」が苦手なようです。
 そんな子たちに効果的なのが人との関わりを重視した「お笑いゲーム」です。
 例えば、「お笑いにらめっこ」というゲームをします。
 まず、子どもたちには口に空気をためて、頬をふくらませるように言います。
 そして、「先生が、これから5回面白いことを言いますから、口の中の空気を『ぷっ』とふいてしまったら、皆さんの負け。ふかずに持ちこたえれば、先生の勝ちです」と説明します。
 教師は、次のようなことを言います。
「校長先生を、こちょばしたよ(くすぐったよ)……こちょ、こちょ」
「病院のベットで、跳ねました。……ビョイーン」
 子どもたちは、次々に吹き出してしまいます。
 まずは、「教師対子ども」 でゲームを行うことがポイントです。いきなり、「子ども対子ども」という枠組みを使うとルールが徹底されなかっ たり、心の負担が大きかったりします。ますは、「教師対子ども」で安定したゲーム運びで「楽しい」気分にさせます。
 次に、今度は隣同士向えあわせに座らせます。見つめ合うように言います。
「今度は、隣の人と対決です。先生が面白いことを言いますから、先に口の中の空気をふいた人の負けです」
「えー!」といいながらうれしそうです。
「隣の人とにらめっこ!もう笑ってはいけません!」と声高らかに言うと、もう笑ってしまう子がいます。「失礼でしょ。なにも言ってないのに
笑っちゃあ。隣の人の顔が、おかしいってことになっちゃうんだよ!」とフォロー(?)します。そうすると、教室は爆笑の渦です。
 このあと、一人一人にダジャレを考えさせ、二人組でこのゲームをさせます。片方が面白いことを言い(攻め)、もう一方ががまん(受け)し
ます。つまり、「子ども対子ども」の枠組みへと移行していくのです。
 さて、このゲームが終わった後、面白いことが起きました。なんと、いつもなら終業チャイムがなった途端に図書館へと急ぐ、あの男の子が、しばらく席を立たなかったのです。その上、隣の女の子と楽しそうに談笑していたのです。「お笑いゲーム」の偉大なる効果です。


この文章は、2007年に公明新聞の教育欄に掲載されたものです。掲載にあたっては、公明新聞の許諾を得ております。