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公明新聞リレー連載「授業に笑いを!お笑い教師同盟の挑戦」
第4回「これからの授業にはくだらない話も必要です。」
中村健一(山口県)
(『公明新聞』2007年2月10日掲載)


 今の子どもたちは教師の話を聞くことが苦手です。話に飽きたら授業中でもおしゃべりを始めることがあります。それを注意してばかりではダメ。教師と子どもの距離が遠くなり、子どもたちに安心感がなくなるからです。
 これからの教室には、おしゃべりにつき合う「勇気」が必要だと考えます。さらに一歩進めると、意図的におしゃべりを利用することも考えられます。そんな時に有効なのが、挙手アンケートです。
 例えば、4時間目。給食前に子どもがダレてきた時。次のようなやり取りをします。

「お腹すいたね。昨日の晩ご飯、何だった?」
「僕んちね。昨日、ピザとったんよ」
「へ〜、ピザ!いいねえ!先生も大好きだ。 晩ご飯にピザをとったことがある人?」

 私の手を挙げる仕草に促され、数名が手を挙げます。ここで「どんなピザとった?」と聞けば、おしゃべりを促すことができます。1〜2分のおしゃべりで、子どもたちはスッキリ。
「本題に返るね。日本列島は・・・」
 スッキリした子どもたちは、再び集中して話を聞いてくれます。おしゃべりの効果です。
 また、くだらない話をすることが、授業の印象をよくするようです。
 私も説明中心の授業をしてしまうことがあります。例えば、寝殿造りの学習の時。分かりやすい説明をしたつもりです。しかし、20分を過ぎると、子どもがアクビを始めました。
 そこで、次のようなおしゃべりをしました。
「家に広い庭がある人?」
 クラスの3分の1ぐらいが手を挙げます。
「その庭には池がある?」
 Aくん1人になりました。
「えっ!池があるの!?すごいねえ」
 Aくんが笑顔になります。
「その池には橋がかかっている?」
 また手を挙げたAくんに問いかけます。
「えっ!橋があるの!?なんのために?」
「お父さんがタバコ吸ってる・・・」
「別に橋じゃなくてもいいじゃん(笑)!」
 簡単なツッコミに子どもたちは笑顔です。
「蹴鞠をしたことがある?」「私のお母さんは十二単を着ている?」などくだらない質問をくり返します。調子に乗って手を挙げる子もいて、大爆笑です。
「自分のことを麻呂と呼ぶ?」
 手を挙げた中から人気者のNくんを指名。
「何か言ってみて!」
「麻呂はお腹が減ったぞよ」
 教室は大爆笑!子どもたちは笑うことでスッキリし、再び授業に集中します。そして、授業が終われば「先生の授業すっごく楽しい!」と言いに来てくれます。アクビをしていたはずなのにです。
 昔の子どもたちは、分かりやすい話をする先生が好きでした。それは、子どもの方に「聞こう」「勉強しよう」という気持ちがあったからです。しかし、今の子どもたちはそういう気持ちが稀薄です。だからこそ、くだらない話が必要なのです。くだらない話が授業の付加価値を上げます。これからの教室には、分かりやすい話にプラスして、くだらない話が必要だと考えています。


この文章は、2007年に公明新聞の教育欄に掲載されたものです。掲載にあたっては、公明新聞の許諾を得ております。