公明新聞リレー連載「授業に笑いを!お笑い教師同盟の挑戦」
第23回「漢字嫌いも夢中になる「脱線読み」」
赤坂真二(新潟県)

(『公明新聞』2007年12月8日掲載)


 漢字学習は、何かと単調になりがちです。「練習すればできる」と教える側は言いますが、教わる側にとっては、そう単純な話ではありません。嫌いな子どもにとっては、苦痛以外の何者でもない場合があります。今回は、漢字嫌いの子どもたちが目を輝かせて夢中になる漢字の読みの学習法です。
 漢字のドリルやスキルなどの、学習教材に「助ける」「悪い」「私」「悲しい」「美しい」「顔」などの言葉が並んでいるとします。これを、教材に出ている順番に読んでいくだけでは、子どものテンションも下がってしまいます。漢字嫌いの子どもにとっては、漢字の羅列は、ただの記号や模様に見えているのではないでしょうか。そんな子どもたちに、「繰り返し読んでおぼえなさい」と言っても酷な話。そこで、「脱線」をします。これらの言葉の間に、適当に言葉を挟みます。だじゃれやイラストも入れればさらに効果的。例えば、「助ける」「助けて!」「キャー!!」「悪い」「誰?」「私?」「違う!」「悲しい」「ビタミンC」「美しい」「先生の」「顔!」などのように。これらをA4サイズの画用紙に一枚に一言ずつ書き、子どもたちと読みながら、テンポ良くめくっていきます。子どもたちは、大喜びで読みます。授業の導入に使えば、最初からノリノリで学習を開始することができます。 私の学級では、難読漢字にも挑戦しています。その学年で習う漢字だけではなく、大人でも読むことが難しいような漢字を読むのです。すると、教科書程度の漢字を易しく感じるようになり、漢字学習に対して抵抗感が少なくなります。例えば、「虎魚」「海鼠」「海松貝」などの魚介類の漢字を読ませます。これだけでも、子どもは喜んで読み、自分で調べてきたりするようになります。しかし、同じ漢字ばかりやっていると飽きますから、そんなとき「脱線」をします。この魚介類シリーズには、おなじみのサザエさんファミリーを入れます。「虎魚」「海鼠」「海松貝」といった漢字の中に、「鱈」「鱒」「栄螺」などの文字を入れます。勿論、「鱈」の後には、タラちゃんのイラスト、「ハイですぅ!」のお約束の台詞、「栄螺」の後には、サザエさんのイラストと「ジャンケン、ポン!」と書いたカードを仕込みます。国語の学習が始まると、「先生、あれ読もうよ」とリクエストがかかります。学習参観でやれば、爆笑で学習スタートです。その日の夕食は多くの家庭がお寿司になるはず(希望的観測)。


この文章は、2007年に公明新聞の教育欄に掲載されたものです。掲載にあたっては、公明新聞の許諾を得ております。