公明新聞リレー連載「授業に笑いを!お笑い教師同盟の挑戦」
第17回「バラエティー番組を授業の参考に!?」
田中光夫(東京都)
(『公明新聞』2007年9月8日掲載)


 給食の時間、毎日子どもたちと楽しい会話の時間をすごしています。
 「先生、昨日の『世界丸見え』観た?」
 「この前の『エンタの神様』、めちゃめちゃ笑えたよね〜」
 テレビ番組の話題は非常に盛り上がります。
 先日、私のクラスで行なったテレビに関するアンケートで、子どもたちのテレビ平均視聴時間が、平日で3時間という結果が出ました。(小学3年生)
 夕方6時から9時までの、いわゆる「ゴールデンタイム」は、家族でテレビの前にびったり張り付いているようです。多くの家庭で、テレビを中心とした一家団欒の時間が展開されています。給食の時間にテレビの話題で盛り上がるのもうなずけます。
 子どもたちに人気の番組に「バラエティー番組」があります。今や空前のお笑いブーム。バラエティー番組には、必ずと言ってよいほど「お笑い芸人」が出演しています。
 このバラエティー番組には、視聴者を飽きさせない工夫がふんだんに盛り込まれています。その工夫の一つに「短い時間のコーナーをつなぐ」というのがあります。
 例えば「笑っていいとも!」を例に挙げますと、「本日の出演者紹介コーナー〈2分〉」→「ミニコーナー〈5分〉(親子あてクイズなど)」→「テレフォンショッキング〈15分〉」→「メインコーナー〈15分〉(ランキングクイズなど)」→「タモリンピック〈5分〉」→「フィナーレ〈5分〉(番組のコーナー参加者募集など)」といった具合です。そこにCMが入って1時間の番組が構成されています。テンポよく各コーナーが進むので、視聴者は飽きることなく1時間の番組を楽しむことができるのです。
 私の学級では、現在、国語の授業でこのバラエティー番組の構成を取り入れた「バラエティー番組型授業」を進めています。これは、千葉県の小学校教師である鈴木啓司氏が命名されたものです。
 この授業の形を取り入れてから、クラスの子どもたち全てが45分間の授業に飽きることなく集中して取り組めるようになりました。
 授業の構成はと言いますと、
「百人一首〈5分〉」→「辞書引きゲーム〈5分〉」→「漢字の読み練習〈5分〉」→「教科書の音読〈10分〉」→「教科書の読解〈10分〉」→「新出漢字の練習〈10分〉」(計45分間)です。
子どもたちが「授業があっという間に終わる感じ」と言うように、テンポよく授業が進み集中力が途切れないため、席からの立ち上がり、立ち歩きをする子は一人もいません。
 基本的にこの45分間の構成は同じです。なので、子どもたちの中に授業の見通しが立ち、それゆえ安心感が生まれ、心地よく学習に取り組めます。また、5分程度の短い学習を毎日繰り返して取り組むことで、「短期記憶」が反復効果により「長期記憶」に変わり、学習したことが身に付きやすく、かつ忘れにくくなるのです。
 今「基礎基本の学力の定着」が叫ばれていますが、決して一朝一夕で身に付くものではありません。集中力の低下が問題視されがちな「テレビっ子」の子どもたち。その実態を逆手にとって、この「バラエティー番組型授業」で集中力と基礎基本の学力向上を目指し奮闘中です!


この文章は、2007年に公明新聞の教育欄に掲載されたものです。掲載にあたっては、公明新聞の許諾を得ております。