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公明新聞リレー連載「授業に笑いを!お笑い教師同盟の挑戦」
第12回「授業もお笑いも「フォロー」が大切なのだ!」
中村健一(山口県)
(『公明新聞』2007年6月23日掲載)


 真面目にお笑いを追究してみて、分かったことがあります。それは、授業とお笑いがよく似ているということです。
 お笑いは、「フリ」「オチ」「フォロー」からなります。たとえば、コント55号。欽ちゃんが、「これできるか?」と二郎さんに「フリ」ます。で、二郎さんがチャレンジする。でも、うまくいかない。これが、「オチ」。で、欽ちゃんがツッコむ。これが「フォロー」ですね。このセットで観客は爆笑する訳です。
 授業も「フリ」「オチ」「フォロー」のセットだと考えられます。「気づいたことをノートに箇条書きしなさい」「Aさん、発表して」など、教師が子どもにさせることは、すべて「フリ」です。で、その指示に応え、一生懸命取り組む子どもが「オチ」担当。その子どもを褒めるのが教師の「フォロー」です。
 実は、教師の世界では「フリ」の研究はたくさん行われてきました。専門用語で言う「指示」や「発問」です。こういうテーマで作文を書かせるといい、なんてのもそうですね。
 しかし、「フォロー」は、あまり研究されてきませんでした。というか、あまり意識されてきませんでした。
 たとえば、先日のことです。若い教師が卒業式の呼びかけの指導をしていました。Aくんがゆっくり言おうとするあまり、「心に残る〜、数々の〜、思い出〜」と応援団のように語尾を伸ばして言ったのです。若い教師はやり直しを命じました。「心に残る、数々の思い出」Aくんは、今度は伸ばさないようゆっくりはっきり言いました。その時、若い教師が何をしたかというと、スルー。褒めることもなく、次の子が呼びかけを続けたのです。
 「やり直し!」という「フリ」に応え、もう一度「オチ」を担当したAくんです。しっかり「フォロー」してあげる、つまり褒めてあげることが大切なはずです。しかし、現場ではなかなか「フォロー」が意識されません。
 みなさんは、「踊る!さんま御殿!!」という番組をご存じでしょうか?明石家さんま氏の「フリ」にゲスト陣がいろいろなエピソードを披露する番組です。
 あの番組では、ゲスト陣が実に生き生きとおしゃべりしています。それは、なぜか?さんま氏の「フォロー」のお陰です。番組をみていると、さんま氏はとにかくよく笑っています。他のゲストやお客さんが笑っていない時でさえ、机をたたいて大笑いです。笑うことが一番の仕事と言ってもいいでしょう。
 自分が話せば、必ず、さんま氏が笑ってくれる。つまり、認めてもらえる。そんな状況であれば、誰もが話しやすくなるはずです。そんな「フォロー」がゲスト陣を生き生きとさせているのです。
 これは授業でも同じです。教師が必ず、褒めてくれる。誰よりも認めてくれる。そんな状況であれば、子どもたちも発言しやすいはずです。作業しやすいはずです。
 教師の一番の仕事も「フォロー」であると考えています。お笑いのお陰で、そんなことが見えてきた今日この頃です。
 「フォロー」の技術を『子どもが納得する個別対応・フォローの技術』(学事出版)という本にまとめました。ぜひ、ご覧ください。


 「聖武天皇と奈良の大仏」の学習のツカミです。大仏マスクで教室に飛び込むと、子どもたちは大爆笑!


この文章は、2007年に公明新聞の教育欄に掲載されたものです。掲載にあたっては、公明新聞の許諾を得ております。