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公明新聞リレー連載「授業に笑いを!お笑い教師同盟の挑戦」
第1回「お笑い教師同盟とは?」
上條晴夫
(『公明新聞』2007年1月13日掲載)


 1997年に学級崩壊が広く知られるようになりました。
 授業中に子どもたちが教室を立ち歩いたり、おしゃべりをするという現象です。全国規模での荒れでした。それまでの荒れと違って、学校教育の中核である授業成立を大きく揺るがしました。
 わたしの所属するNPO法人「授業づくりネットワーク」でも、この現象に対峙すべく様々な試みを行いました。学習ルールを再考したり、学習ゲーム教材を創ったり、授業の導入法を工夫したり、参加・体験のある新しい授業モデルを開発したりしました。
 そうした様々な取り組みの1つとして、お笑い教育にチャレンジしてみることにしました。学級崩壊で休職・退職に追い込まれた先生や学級崩壊の最前線で授業づくりの工夫をしている先生方の声を収集してみると、教師と子どもの価値観のズレのうち、特に笑いに関する部分のズレが大きいことがわかってきたからです。
 最初にやってみたことはお笑いタレントの明石家さんまさんが子どもたちとやっていたテレビ番組「あっぱれさんま大先生」という多人数トーク番組の分析でした。この番組のVTRを再生して「さんま大先生の笑いのテクニック」を詳しく分析してみました。
 この作業の中で「子どもの話を最後まで聞く」「細かな部分まで聞き漏らさない」「素早いリアクションをする」などの受けの技術の存在が見えてきました。またツッコミやフォローなどの教室でも使えるコミュケーションの工夫が大事であるとわかりました。
 この時の研究会をきっかけに『さんま大先生に学ぶ−子どもは笑わせるに限る』(フジテレビ出版)を出版しました。本が出たので、ついでに「お笑い教育ワークショップ」を企画してみることにしました。すると、そのワークショップに先生方が殺到しました。
 従来であれば、現場の教師が「お笑い」を学ぶなどということはあり得ないことでした。しかし、学級崩壊の進行する中、ただ真面目に授業をしているだけでは子どもたちとやっていけないということを感じた先生がたくさんこのワークショップに集まりました。
  その結果として『お笑いに学ぶ教育技術』という「教室をなごませるアイデア集」を出すことになりました。その執筆メンバーとして集められたのが「お笑い教師同盟」の創設のメンバーでした。お笑い好きの現場教師に直接声をかけて集まってもらいました。
 会の合い言葉は「教室に笑いを」です。教師がおもしろおかしいことを言って子どもたちを笑わせるのではなく、子どもたちと他愛もない遊びやおしゃべりを交わす中で教室の空気を温めるということを目的にしました。いわゆ「フォロー」を大事にしました。
 最初は十人程度のノンビリしたグループでした。それがホームページで会の活動を紹介するうち百名を超えるようになりました。でも、合い言葉はいまでも変わりません。「教室に笑いを」です。


この文章は、2007年に公明新聞の教育欄に掲載されたものです。掲載にあたっては、公明新聞の許諾を得ております。